日本で、今日のような美味しいフランスパンが食べられるようになったきっかけは、1954年にフランス国立製粉学校のレイモン・カルヴェル教授が来日されたことでした。 その時、かねてより「ホンモノ」を渇望していたドンクの創業者・藤井幸男は教授を自店へと招き、誠意をもって教えを請うたそうです。以来、二人の行動力と友情が、日本のフランスパンづくりに必要な技術、機械、材料といった環境を整えていきました。
 彼らとたくさんの協力者たちの志を忘れないために、ここに藤井幸男 生誕100周年記 念事業を企画し、執り行います。

一般財団法人藤井幸男記念・教育振興会 設立者 評議員 美木陽子

1.書籍を寄贈します。

藤井幸男が最も力を入れたのは、技術者の育成と情報収集でした。その魂を次世代に伝えたいと、日本全国の製パン・発酵等に関連講座をもつ大学、専門学校、および主要都市の図書館にドンク関連書籍の一部を寄贈します。

 「藤井幸男及びドンクに関する書籍」

『フランスパン・
世界のパン本格製パン技術』

『ドンクが語る美味しいパン
100の誕生物語』

ドンク仁瓶利夫と考える
Bon Painへの道』

2.フランスパンコンクール
藤井幸男記念杯

テーマ:フランスの伝統的なルールにのっとった、アルティザンの製パンコンクール

大 賞( 1名)
賞金200万円とフランス9日間研修ツアー
準大賞( 1名)
フランス9日間研修ツアー
特別賞( 3名)
リスドオル(25㎏)10袋
【応募締め切り】 2020年11月30日(月)
【一次審査】
2021年1月20日(水):レシピ・製品送付
27日(水):試食審査

【二次審査】
2021年4月4日(日) 実技、および試食審査

*新型コロナウイルス感染症につきまして4月7日に緊急事態宣言が発出された事から、お客様の健康・安全を考慮し、関西会場は9月15日(火)に、関東会場は9月1日(火)に延期します。

コンクールおよび事前講習会についての詳細
https://www.e-sousyoku.com/pages/guest/fujii-yukiokinenhai/index.html/

← コンクール応募フォームはこちらのQRコードから

出典:『ドンク仁瓶利夫と考える Bon Painへの道』より
試作試食を繰り返す藤井幸男とレイモン・カルヴェル教授。

初来日のカルヴェル教授が作ってみせたフランスパンは
薄く伸びた内相がつややかに光り、外皮はカリカリ。
1954(昭和29)年、藤井幸男33 歳の時でした。

 「フランスパンの美味しさを日本で再現したい」「日本中に知らせたい」。 カルヴェル教授と藤井幸男の挑戦は「無漂泊の小麦粉と蒸気の出るオーヴン」を日本に用意するところから始まりました。二人が出会ってこの課題を解決するまでに10年。その間、藤井幸男自身はもちろん社員たちも精力的に勉強を重ねます。ドンクの本拠地神戸・三宮で本格的なフランスパンを焼き始め たのが1965(昭和40)年。翌年の夏には東京・青山に進出。間もなく一大フランスパンブームを巻き起こし、いよいよ本格的なフランスパンが全国へと広まっていったのです。
 「こんな固いパン、ふかして食べるの?」と聞かれていた時代から、今では世界一の優勝カップを持ち帰るほどの技術力を持つ日本。藤井幸男は、その数十年の道のりを、パンへの愛情を胸に、見守り続けていました。

関連記事